ロコモーティブシンドローム/ Locomotive syndrome
■ ロコモーティブシンドロームとは?
運動器の障害のために移動能力の低下をきたして、要介護になったり、要介護になる危険の高い状態のことです。
正式名は「ロコモティブシンドローム(略称:ロコモ)」運動器症候群ともいいます。 ロコモは筋肉・骨・関節・軟骨・椎間板などといった運動器のいずれか、または複数に障害が起き、歩くことや日常生活に何らかの障害をきたしている状態です。
いつまでも自分の足で歩き続けていくために、ロコモを予防し、健康寿命を延ばしていくことが必要なのです。
■ 運動器とは?
人間の身体は機能ごとに分業をしています。酸素を取り入れ二酸化炭素を排出する"呼吸器"(気管や肺)、酸素や栄養や老廃物などを運ぶ血液を流す"循環器"(心臓や血管)、食物を消化・吸収する"消化器"(胃や腸)などは良くご存知でしょう。
同じように人が自分の身体を自由に動かすことができるのは、骨、関節、筋肉や神経で構成される"運動器"の働きによるものです。骨、関節、筋肉はそれぞれが連携して働いており、どれかひとつが悪くても身体はうまく動きません。
■ ロコモをチェックしよう
- 家の中でつまずいたり滑ったりする
- 階段を上るのに手すりが必要
- 15分くらい続けて歩くことができない
- 横断歩道を青信号で渡りきれない
- 片脚立ちで靴下がはけなくなった
- 2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難(1リットルの牛乳パック2個程度)
- 家のやや重い仕事が困難(掃除機や、布団の上げ下ろしなど)
以上の項目はすべて、骨や関節、筋肉などの運動器が衰えているサインです。
1つでも当てはまればロコモの心配があります。
0を目指してロコトレ(ロコモーショントレーニング)を始めましょう。
■ ロコトレ(ロコモーショントレーニング)
ロコモにはいろいろなレベルがあり、十分に歩ける人と、よく歩けない人では、ロコトレのやり方も違ってきます。
自分に合った安全な方法で、まず「片脚立ち」と「スクワット」から始めてみましょう。
片脚立ち … 左右1分間ずつ、1日3回行いましょう。
ポイント1 姿勢をまっすぐにしましょう。
ポイント2 支えが必要な人は、十分注意して、机や手や指をついて行いましょう。
(指をついただけでもできる方は、机に指先をついて行います)
注意:床につかない程度に、片脚を上げ、転倒しないように必ずつかまるものがある場所で行いましょう。
スクワット … 深呼吸をするペースで5~6回繰り返します。1日3回が目安です。
- 肩幅より少し広めに足を広げて立ちます。つま先は30度くらい開きます。
- 膝がつま先より前に出ないように、また膝が足の人差し指の方向に向くように注意して、おしりを後ろに引くように身体をしずめます。
- スクワットができないときは、イスに腰かけ、机に手をついて立ち座りの動作を繰り返します。
ポイント1 動作の最中は息を止めないようにしましょう。
ポイント2 膝に負担がかかり過ぎないように、膝は90度以上曲げないようにしましょう。
ポイント3 太ももの前や後ろの筋肉にしっかり力が入っているか、意識しながらゆっくり行いましょう。
ポイント4 支えが必要な人は、十分注意して、机に手をついて行います。
ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイトより引用
■ 若いうちから運動習慣をつけましょう
骨や筋肉の量のピークは20~30代です。骨や筋肉は適度な運動で刺激を与え、適切な栄養を摂ることで、強く健康に維持されていきます。弱った骨や筋肉では、40代・50代で身体の衰えを感じやすくなり、60代以降には思うように動けない身体になってしまう可能性があります。
また、筋肉や骨と同様に軟骨や椎間板にも適正な運動負荷が必要です。但し、過度なスポーツや過体重によって「負担をかけられすぎる」と、軟骨や椎間板は逆に傷んでしまうこともあります。
将来のロコモが心配な方、またロコモの可能性が疑われる方は、お気軽に当院までご相談ください。